
奈良の天理参考館を訪れ、モンゴル史研究に欠かせない貴重な資料「チンギス・ハーン家系図」に触れる機会を得ました。今回は、企画展の様子や学芸員の先生の解説を通して感じたことをレポートします。

展覧会「Human Bonds」
今回の訪問は、天理大学創立100周年を記念する第98回企画展
「Human Bonds: Materials CONNECTing You & Me」(人と人をつなぐ絆―資料から見える世界)の一環でした。
▲ 企画展パンフレット表紙。テーマは「人と人との絆」。
展示のテーマは「人と人とのつながり」。その中で紹介されたチンギス・ハーン家系図は、血縁と歴史を結びつける象徴的な資料でした。


チンギス・ハーンからショロイへ
家系図には、チンギス・ハーンを起点に、息子のトルイ、アリク・ブケ、ダヤン・ハーンなど歴史に名を残す人物が連なっています。
▲ チンギス・ハーンからショロイまでの系譜。教科書で見た名前がずらりと並びます。
これを目にすると、モンゴル帝国の歴史が“本当に生きた人々のつながり”であったことを実感します。
家系図の迫力
展示室で広げられた家系図は、全長5メートルを超える巨大なもの。
モンゴル文字でびっしりと書かれた1万2千人の名は、圧倒的な存在感を放っていました。
▲ モンゴル文字で記された系譜の一部。赤い印章も残り、公式記録の重みを感じます。
線が枝分かれしながら果てしなく続く姿は、まさに「血縁の樹」。そこに刻まれた一つひとつの名に、それぞれの人生と物語があるのだと感じました。
結びに
1万2千人の名前を記したこの家系図は、モンゴル史研究にとって非常に貴重な資料です。
『元朝秘史』や『集史』といった文献に記録された系譜を、目で見て確かめられることは大きな意義があります。
残念ながら今回は実物を直接拝見することは叶いませんでしたが、学芸員の先生が丁寧に説明してくださったおかげで、資料の背景や学術的価値を深く理解することができました。心から感謝いたします。
歴史は決して遠いものではなく、今につながる人と人との積み重ねなのだと、この展示を通じて強く感じました。
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